先月の話になりますが、IntelのXeonのE5-2600v4の後継の新しいXeonのCPUが発表されました。
今回からネーミングルールがIntel Xeon Scalable Processor Familyのもと
下記のような名称に変更となりました。(Skylakeはコード名で正式名称ではありません)
- Platinum 81xx
- Gold 61xx/51xx
- Silver 41xx
- Bronze 31xx
具体的にどういった点が変わったかについてはニュース記事などを参照して頂くとして
今回はタイトルの通り、Turbo性能に絞って書いてみたいと思います。
まず、CPUの製品一覧ページの表記が前世代も含めて変更になっていることに注目したいと思います。
これまでは、一覧ページにはベースクロックだけが表示されていたように思いますが
今回の変更からは、Turbo Boost時のMaxクロック周波数が先に表示されるようになっています。
(ブラウザの表示幅によって表示される項目数が変わるようです)
Turbo Boostというのは、熱的に余裕がある場合にCPUのクロック周波数を上げて性能を向上させる機能のことで
BIOSとOSの設定でONにしておけばあとはユーザーは気にせずとも勝手に上げ下げをしてくれます。
上記のURLには定格のクロック周波数とMaxのクロック周波数しか記載がありませんが、
Maxのクロック周波数というのは概ね1コア,2コア程度のみ使用している場合の動作周波数のことで、
Activeなコア数が増えるに従って、徐々に低下していきます。
ただ、全コアがActiveな場合でもクロック周波数は定格周波数まで落ちるということはなく、
定格に比べれば高い周波数で全コアが動作します。
先日確認した限りでは温度エラーのアラートが出るThresholdの温度に至るまではBoostされた周波数で動作していましたので
よほど温度環境が厳しい場合を除けば、基本的にはBoostされた周波数で動作するはずです。
そうなると気になってくるのは、何コアを使用した時にどんな周波数で動作するのかということですが、
Intelの公開されている資料に記載されていて、これについても仕様で決まっています。
E5-2600v4世代との比較のため下記の通りグラフにしてみました。
X軸がCPUの型番、Y軸がクロック周波数(GHz)となっていて、
青い点が各型番のベース周波数、赤い帯がターボ時の周波数の範囲を示しています。
(赤い帯の上端は1core,2coreのみActiveなときのActiveなコアのクロック周波数、
赤い帯の下端は全コア使用した際のクロック周波数です)
型番が多く全ては載せられませんでしたが、Skylake世代のPlatinum/Goldシリーズに関しては、
E5-2600v4世代よりもクロック周波数が高めになっていて、スペック上のターボ性能が向上していることがわかります。
(ベースクロックとMin Turbo Frequencyの間がE5-2600v4世代よりも広い傾向)
特に6154,6134,6128,5122などは、1コアだけ使用している時も全コア使用している時も3.7GHzで動作する仕様になっていて
定格がこれでいいのでは?と思ってしまいます。
具体的なアプリケーションでの性能については別の機会に紹介したいと思いますが、Turboまわりのスペックを比較するだけでも
クロック周波数の性能向上が期待できますね。